先日、夏休みを利用して、都内の美術館で開催している「ガウディとサグラダ・ファミリア展」に行ってまいりました。
私が、この展示会を知ったのは、実はナガブロがきっかけでして。
どなたかが、ナガブロの記事に、この展示会の事を、お書きになっていたのです。
それを読んだ時から
「これは行きたい!絶対行きたい!」
と色めきだっておりました。
私、ガウディ大好きなんです。
どれくらい好きかと言いますと、ガウディの作品見たさに、20年くらい前にスペインに行っちゃったくらい好きでして。
ただ、その頃は、ガウディの作品の中で一番有名だと思われる「サグラダ・ファミリア」には、そんなに興味が無くてですね。
じゃあ、何に興味があったかというと、ガウディが貴族の為に作った「カサ・バトリョ」とか(バトリョさんという方が住んでいたようで、今もなお、どなたかが住み続けているようです。)「カサ・ミラ」(こちらは、高級マンションになっているようです。)とかに感心を持っていました。
その2つの作品を初めて写真で見た時、
「こんなおとぎ話みたいな建物が、現実の世界にあるのか…。死ぬまでに一度は本物を見てみたい。」
と衝撃を受けたのを覚えています。
だからスペインに行っちゃったんですけれども。
で、行ってみたら「カサ・バトリョ」と「カサ・ミラ」は通りを挟んで、ほぼ相向かいの位置に建っておりまして。
「私の大好きな二作品が、こんなに近くに並んでいたとは…。この目で2つ同時に見る事が出来るなんて奇跡みたい。」
と、いたく感動したのは、今でも忘れられない思い出です。
そして、本物を見た私は思いました
「カサ・バトリョは人魚姫みたいで、カサ・ミラはファントム(オペラ座の怪人の主人公ですね)みたいだ。」
と。
カサ・バトリョは、元々ガウディが海をイメージして造った建物らしいので、私の見解もあながち間違いではないのかもしれませんが、カサ・ミラは地中海をイメージして造った建物らしいので、私の見解は間違っているというか、感性がおかしいのかもしれません。(元々大した感性は持ち合わせていませんので…。)
でも、私にはそういうふうにしか見えなくて。
二つの悲しい物語を連想させた、ガウディの作品に、この時からますます魅せられてしまいまして。
それから、ずっとガウディの事は大好きなんです。
ただ、サグラダ・ファミリアには、あんまり興味が無くてですね。
「ガウディといえばサグラダ・ファミリアだろ!何言ってんだ!」
と思う方もいらっしゃるかと思いますが、やはり感性が鈍いという事なのか、せっかくスペインで本物を見たというのに
「ほ~ん。これがあの有名なサグラダ・ファミリアか~。どうせなら塔のてっぺんまで行ってみるか。」
くらいの気持ちで、螺旋になっている塔の階段を上ったら、思いの外、段数が多くて疲れた。そして、なんだか良く分からないが、見る所、見る所、全部彫刻みたいなのがあって、とにかく凄い建物ってのは分かった。
みたいな、今思えば罰当たりな感想しか抱きませんでした。
それでも、今回私が
「ガウディとサグラダ・ファミリア展」
に足を運んだのは、ガウディが大好きなのと
「サグラダ・ファミリア展とは言うものの『ガウディと』て書いてあるし、他の作品にも触れてないわけなかろ~。」
という勝手な憶測によるものからでして。
でも、行ってみたら、当たり前なんですが、八割方サグラダ・ファミリア関連の展示でございました。
カサ・バトリョやカサ・ミラも含め、他の作品にも触れてはいたのですが、大半がサグラダ・ファミリアの展示物でしたね。
しかし、今回私は、このサグラダ・ファミリア展、予想外に楽しむ事が出来たのです。
なぜならば、数年前に私は友人から
「絶っっ対好きだと思うから『聖☆おにいさん』読んでみな!絶対大好きだよ!」
と猛烈にすすめられた事があり、友人がそこまで言うならと漫画の『聖☆おにいさん』を購入して読んでみたんです。
そしたら、まぁ面白くてですね。
さすが友人。私の感性を良く分かっています。
聖☆おにいさんは、仏教とかキリスト教の事を面白おかしく書いた、ほのぼのギャグマンガなんですが、要するに、私は、聖☆おにいさんを読む事で、20年前より、はるかに「キリスト教」の知識を得たわけです。
で、サグラダ・ファミリアって教会なんですよ。
サグラダ・ファミリアとは、キリスト教徒だった天才建築家ガウディが、その生涯を捧げて建設に挑んだ大建造物なわけです。
だから、スペインに行った時に、私が見た数々の彫刻にも、ちゃんと意味があって(当時は何も分かっていませんでしたが。)
「この彫刻はイエスのなんちゃらの場面を表現しており~」
みたいな解説も、展示会場にはありまして。
で、私はそんな解説を読む度に
「これ、聖☆おにいさんで読んだ事ある!へぇ!」
みたいなおかしなテンションになっており。
中でも一番興奮したのは、塔の名前を見た時ですね。
サグラダ・ファミリアには沢山の塔があり、全ての塔には名前がついているのですが(キリストの塔とかマリアの塔とかあります。)壁に展示されていた塔の写真に
「ペテロ」とか「アンデレ」とか「ヨハネ」とか書いてあるのを見て
「他の塔は12使徒とか福音書を書いた人の塔だったのか!」
と感動し、しかし
「私が上ったのは何の塔だったんだろう…。何も知らずに上ってたな…。もったいない事したな…。」
などと、ちょっと後悔もし。
まさか、聖☆おにいさんを読んでケラケラ笑いながら得た知識が、厳かなサグラダ・ファミリア展で実を結ぶなんて、思ってもみませんでした。
知識って面白いですよねぇ。どこで、何がどうつながるか分かりません。
私は別に、何か教養を得ようと思って「聖☆おにいさん」を読んでいたわけじゃないんです。ただ、面白いから読んでいただけなんです。
でも、そこで得た知識が、こんなふうに役に立つというか、他の知識と結びついた時に、こんなに楽しくなる事もあるんだなと、今回学びました。
私の可愛い生徒さん達にも、沢山の事を学んで欲しいと思います。勉強をしていると
「何の為に学んでいるんだろう?」
と思う事って誰でもあると思うのですが、でもせっかく学ぶ機会を与えられているのであれば、学んでおいて損はないと思います。
どこで何がつながっているか分かりませんからね。
夏休みも残り少なくなってまいりましたが、余裕のある方は、博物館に足を運ぶなり、何か本を読むなりしてみても良いのではないかと思います。
それでは、最後まで読んでくださり、ありがとうございました。