先週、深谷市文化会館で開催された
「青天を衝くスペシャルトークin深谷」
なるものに参加してきた私です。
これはどういう代物かと言いますと、深谷市の偉人、渋沢栄一が印刷された新1万円札が発行された記念に、大河ドラマ「青天を衝け」で主演を務めた吉沢亮さんや脚本家の方をお招きし、トークショーをしま~す!という類いのものでして。
しかし私は
「万札なら、栄一だろうが諭吉だろうが、なんなら聖徳太子様でも誰でも良いぞ!どちら様でも我が財布にいつでもカモン!ウェルカ~ム!」
などと深谷市民に知られたら非国民扱いされそうな事を思っており。
そんなふとどき者なくせに
「顔面国宝と呼び声高い、吉沢亮さんのご尊顔を、一目この目で見てみたい!」
というヨコシマな気持ちのみで、市のホームページからダメ元で応募したら、倍率が9倍以上あったらしいのに、なぜか当選しちゃったんですよ。
当選のハガキを見た瞬間、
「締め切りギリギリに応募したのに(応募締め切りの一週間くらい前に同じ市内の学研の先生から教えて貰うまで、トークショーがある事すら知らなかったんです。)なんで当たったんだろう…。一生分の運を使い果たしたんじゃないだろうな。そのうち罰でも当たったらどうしよう…。」
と、恐れおののきましたが、しかし、吉沢亮様にお会い出来るのは、大変に喜ばしい事だったので、後ろ暗さはあれど、ウッキウキで会場に行ってまいりました。
で、その時に、この辺で使われている(または使われていた)方言の話も出まして。
出演者の方が主に話題にしていた方言は、ドラマの中でも良く出てきたらしい
「だにぃ」とか「とっさま」とか「かっさま」とかなのですが(しかし、そんな方言を今も使っている人は、かなりお年を召した方でもいらっしゃらないような...。)
私が、
「この辺の方言は?」
と聞かれてパッと思い付くのは「きない」なんです。
「きない」とは、漢字で書くと「来ない」となります。
来るの未然形なんですね。(ふとどき者のままブログを終わらせたら、いよいよ学研の偉い人に怒られそうなので、学研の先生っぽく、文法用語出してみました。)
本来「来る」の活用は
「未然 こ(ない)」
「連用 き(ます)」
「終止 くる」
「連体 くる(とき)」
「仮定 くれ(ば)
「命令 こい」
で、カ行変格活用の、
「こ き くる くる くれ こい」
となるのですが、この辺の方言は未然形が「こ」ではなく「き」なので、
「き き くる くる くれ こい」
となるわけです。
未然形以外は、標準語と変わらないので、ちょっと分かりにくいんですが、この辺の方言の一つとして「来ない(きない)」があるんですね。
標準語であれば
「まだ帰ってこないの?」
と言う所を
「まだ帰ってきないの?」
と言う感じです。
私がどうして「きない」をパッと思い付くのかと言うと、中学生くらいまで、方言と知らずに当たり前に使っていたからだと思います。
私が「きない」が実は方言だと知ったのは、高校生の時で、高校で出会った友達に指摘されたからなんです。
その時は、思春期真っ只中だったので、方言を指摘された事を恥ずかしく思ってしまい(今は、指摘してきた友達に悪気は無かったと思うし、恥ずかしがる事では全くないと思うんですけどね。)
「そうか。これは方言なのか。直さなきゃ。」
て思っちゃったんです。
だから凄く記憶に残っていて、今でも
「この辺の方言は?」
と聞かれると「きない」が一番に思い付くのです。
実際「きない」は、お年を召した方ですと、今でも使っている方が多いような気がします。
他にも自分は使っていなかったけど、祖父母や親戚や近所のご老人が使っていたから覚えている方言は
「はぁ」と「まっと」ですね。
「はぁ」は標準語でいうところの「もう」ですかね。
標準語であれば
「もう夏休みは終わったの?」
と言うことろを
「はぁ夏休みは終わったんかい?」
と言う感じです。
「まっと」は「もっと」ですかね。
「もっと食べなさい。」
は
「まっと食べな」
と言う感じです。
この2つは、今でも、お年を召した方は使っているかもしれません。
もうすぐ夏休みになりますけれども、おじいちゃんおばあちゃんに会いに行く生徒さんも多いのではないかと思います。
その時は、ぜひ、その土地の方言を聞いてみてください。
おじいちゃんおばあちゃんも、実は自分の話している言葉が方言だと知らずに喋っているというケースも意外と沢山ある気がするので、お互いに
「へぇ!」
と思える事があるんじゃないかと思います。
楽しい夏休みをお過ごしください。
ふとどき者の私は、天罰がくだらないように、気を付けて生きていきたいと思います。
それでは、最後まで読んでくださり、ありがとうございました。