作文の書き方

作文の書き方
春休みになりましたので、今日は、私が好きな本を紹介しつつ、作文について書いていきたいと思います。

作文って、書くのが得意な子もいると思いますが、苦手な子の方が多いんじゃないかと思います。

かくいう私も苦手な部類の子供でございました。

それは、多分今でもそうで…。

私はですね。何かお題を与えられて
「文を書け」
と言われると、途端に書けなくなっちゃうんですよ。

じゃあ、毎回長々と書いているこのブログは何なんだと思った方もいるかもしれませんが、このブログは、私が書きたい時に気ままに書いている物なので、そこが強制的に書かされる作文とは、絶対的に違います。

ただ、気ままに書いていると言っても、全部が全部その場の思い付きで書いているかというと、そんな事はなくて。

そりゃ、勢いだけでバーと書いている記事もあるんですが、半分くらいは、
「こういうテーマで書きたいな」
と思った後に、1ヶ月とか2ヶ月くらいは余裕で寝かせます。(なんなら2年くらい寝かせっぱなしのテーマもありますねぇ…。)

要するに、テーマを決めた後に、どういう方向性で書こうかな?とか、どういう風に書いたら伝わり安いかな?とか色々考えるんです。(記事にもよりますが、これでも色々考えているんですよ。全然伝わっていないかもしれませんが…。)

同じテーマでも、方向性によって、書く事ってだいぶ変わってきちゃうので、まずは、それを決めるんです。

で、決めた後は、その方向性に点を置いておくと、その点から何かしら文が出てくるので、ひとまずそれを遠くから眺めている感じです。

で、待っていると(考えているというより、本当に待っているって感じですね。下手にぐるぐる考えちゃうと逆に何も浮かばない事の方が多いんです。)いくつか文が浮かんでくるので、遠くから眺めながら

「いや~。これは伝わりにくいだろ~」
とか
「これは、この後が何も続かなそうだな~」
とか、
「これだと、学研的に(私は一応学研の先生としてブログを書いてますからね~。)着地点をどうしたら良いか分からん…。」
とかボンヤリ考えて、ダメそうなのは、どんどん消します。

で、全部消えちゃうこともあるので、そしたら、そのテーマはまた寝かせます。(そんな事してるから2年も寝かせるテーマが出てくるのです。)

でも、だいたい最後に1個~5個くらい文が残るので、1個の時は、その1個を軸にして文を膨らませていくし、複数個残った時は、それらをつなげる感じです。

で、頭の中で、おおかた膨らませたり、つなげる事が出来たら、あとはバーと書いていきます。

バーと書いた後は、誰か他の人が推敲でもしてくれりゃ良いんですが、そんな人はいませんので、仕方なしに自分で推敲します。

そうすると、まぁ粗が出る出る。

表現がちょっと分かりにくかったりとか、同じような事を何度か繰り返していたりとか、本当に色々出るんですよ。

だから当然直すんですが、何回か直しているうちに脳も目も疲れてくるし、しょせんは自分で書いた文ですから、だんだん自分でも何がおかしいのやら分からなくなってきて、最後は諦めてアップしちゃう感じです。

だから3ヶ月後とかに改めて読み返すと、

「あれ…。ここ分かりにくいかも…」

とか

「あぁ、ここ直したい。」

て思う箇所がどの記事も必ず出てきて(恥ずかしながら誤字脱字なんかも後から見つけて、あ~~!てなっている事もありますねぇ。)実際直している事もあるのですが、大抵は

「いや、でもここを直すと、こっちも直さないと文のつながりがおかしくなるだろ…。」

という感じになるので、そのまま放置しております。

大人の、しかも仮にも先生である私が、自分で決めたテーマであるにも関わらず、書くのにこれだけ時間がかかるわけです。

子供が、強制的に書かされる作文が、どれだけ大変かって話ですよ。

でも、皆が皆そうではなくて、私もそうですが、勢いだけでバーと書けちゃう時は書けちゃうんですよね。

勢いだけで書けちゃう時は、上に書いた工程など全部すっ飛ばして、本当に勢いだけで書くので、書くだけならあっという間です。(ただ、その後の推敲が恐ろしく大変ですけれども…。)

なので、お子さんの中にも、作文をあっという間に書けちゃう子というのはいると思います。でも、大抵は、そうじゃないんですよね。

例えば
「遠足の作文を書いてください。」
と、言われても、

「え~…。何を書いて良いか分からない…。」

みたいになってしまうお子さんは多いと思います。

そしたら、とりあえず方向性というか、点だけでも決めたら良いと思います。

遠足の中でも、どこに焦点をあてて書くか決めるんです。

例えば、バスの中でやったゲームが楽しかったから、そこに焦点をあてて書くとか、友達や先生に言われた一言が印象的だったから、そこに焦点をあてて書くとか、まずは遠足のどこのシーンを切り抜くかを決めたら良いと思います。

それだけでも、バラバラになっていた記憶とかが整理されて少し楽になるというか、目処が立ってくると思うんですね。

そして、点が決まったら、自分がそこにいた時に、見た事や感じた事を、断片的にで良いので短い文にしていきます。

そしたら、記憶をたよりに、それらの文をとりあえず時系列通りに並べて書いても良いですし、文章力のあるお子さんは、敢えて時系列をずらして、印象的な所をよりフォーカスするような書き方をしても良いと思います。

まずは、粗削りで全然かまいませんので、何でも良いから書いてみてください。

書いた後は、誰かに見て貰って(教室で書く文に関しては、当然私がその役目を担います。)推敲してもらい、

「ここは、これだと分かりにくいから、こういう表現に変えた方が良いかも。」

とか

「これだと、他の意味にも取られちゃって誤解を与える可能性があるから、直した方が良い。」

とか

「言い回しが似かよっちゃっているから、こことここは変えた方が良いかも。」

とか

「同じ言葉が短い範囲の中で何回か出てきちゃってるから、意味は同じでも違う言葉に変えた方が良い。」

とか

「言いたい事は分かるけど、ちょっとこれだと文のつながりがおかしいかな。」

とか、もう少し高度になってくると

「勢いがある文なだけに、ここがちょっと分かりにくいのがもったいない。ゆるい文ならこれでも良いかもしれないけど、この文の場合は勢いを止めちゃうから、読み手にスッと入るように、もう少し分かり安い言葉で表現したほうが良いと思う。」

とか、アドバイスを貰って直していくと、だんだん文章力ってついていくのかなと思います。

上に書いたアドバイスは、私が実際に作文指導の時などに生徒さんとか息子とか親戚の子供とかに(たま~~に親戚の子供に作文のチェックとか頼まれるのです。)言った事のあるアドバイスですね。

私にも、こんなアドバイスをしてくれる人がいると良いのですが、残念ながらいませんので、自分でどうにか頑張って推敲し、頑張った挙げ句に、なんだか良く分からない事態になっていると。

…。

自分で書いてて悲しくなってきました…。なんかもうすみません…。

いつも駄文を読ませてしまい申し訳ないです。

で、私の事は置いておきまして
「焦点を当てて」
と言われてもどうしたら良いかわからないし、その後の文も浮かばないよ~という、お子さんにおすすめの本が、

こちら
「あのころ 」
さくらももこさんのお書きになった、エッセイです。

このエッセイは「あのころ」「まる子だった」「ももこの話」と三部作になっていて、三冊とも、さくらももこさんの子供時代の話が面白おかしく書かれています。

先ほど私が例にあげた「遠足」の作文ですが「あのころ」の中には遠足の話も出てきており、さくらももこさんは、遠足の時のご自身の
「トイレに行きたい気持ち」
に焦点をあてて、遠足とトイレだけで、次から次へと沢山のエピソードを披露しています。

私が、この作品を初めて読んだのは、まだ二十歳くらいの時だった気がするのですが、初めて読んだ時は笑い転げたんです。でも、今、ブログを書くにあたって読み返しましたら、

「この人やっぱり天才だ。」

と、ひれ伏す思いっていうんでしょうか。

その文才に、圧倒されてしまいました。

で、文才はともかく(これはもう神様から与えられた才能だと思いますので、おいそれと真似出来るものではございません。)遠足のエピソードに限らず、さくらももこさんの焦点のあて方って、作文を書く小学生からしたら

「こんな焦点のあて方もありなのか」

と勇気を貰えるようなあて方をしていると思います。

本当に何でも良いんです。たとえそれが人から見た時に
「え?何それ?」
と思うような事であったとしても、本人の印象に残ったのであれば、そこに焦点をあてて良いと思います。

焦点を中々あてられないお子さんて、焦点が見つからないんじゃなくて、見つかっているんだけど

「でも、こんなの焦点にしちゃうのは、おかしいかな。」

とか思っちゃって、自ら消しちゃっているケースも沢山あると、私は踏んでいます。

だから、まずは、この本を読んで勇気を貰って欲しいと思います。

で、焦点を本当に自分の印象に残った事にあてられたら、あとは何かしら文が思い浮かぶと思うんですよ。上手な文じゃなくて全然良いんです。変な文なんて私も書きますし、変な文を書いたら後から直したら良いんです。まずは思い付いた事を書いてみてください。

作文は、そんなふうに書いて欲しいと私は思っています。

まぁ何はともあれ、作文云々は置いておいても、さくらももこさんの三部作、面白いですから、時間のある方は読んでみてください。

それでは、最後まで読んでくださり、ありがとうございました。


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2024年03月28日 Posted bymitsubachi at 19:59 │Comments(0)国語 読書

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