分ける時は何算を使いますか?

分ける時は何算を使いますか?

今回のブログの題名は
「分ける時は何算を使いますか?」
なのですが、こう聞かれたら皆さんはどう答えますか?

私は、この質問を、何人かの高学年や中学生の生徒さんと、夫や息子にもしてみたのですが、私が聞いた人は、もれなく全員

「わり算」

と答えました。

でも、実はこれ、ちょっと違うんです。いや、ある条件の時は、分けるのは「わり算」で正しいんですが、実は分ける時に使うのは「引き算」なんです。

例えば

「15は7といくつに分けられますか?」

と聞かれたら、わり算はしないですよね。

意識的にしろ無意識にしろ、頭の中で多くの人は「15-7」という計算をすると思います。

じゃあ、わり算はどういう時に使うかというと、わり算は「等しく分ける」という条件の時に使う方法なんです。

例えば

「15個のみかんを、3人で同じ数ずつ分けると、1人分はいくつになりますか?」

と聞かれたら「15÷3=5」なので、5個となります。

でも

「15個のみかんを3人で分けます。ケント君は4個貰い、お姉さんは5個貰いました。お母さんは何個貰えますか?」

みたいな問題だったら「15-4-5=6」となり、6個が答えになります。

等しく分ける時だって、厳密に言えば引き算で出来るんです。

例えば

「6個のみかんを1人2個ずつ分けると何人に分けられますか?」

と聞かれたら、6から2を引いてまずは1人分、余った4つからまた2を引いてて2人分、更に余った2つから2を引いて3人分。この時点でみかんは0になったので、3人が答えになります。

式に表すと
6-2=4
4-2=2
2-2=0

2を3回引いてるから「3人」と考える事も出来るわけです。

しかし、数が大きくなったら、こんなまどろっこしい事はしちゃいられません。

そんな時に便利なのが割り算で、例えば

「100個のみかんを1人2個ずつ分けると何人に分けられますか?」

と聞かれたら

100÷2=50

と一発で答えが出せるので、割り算は算数の世界において大変有能な飛び道具的な存在だと私は思っています。(引き算でやったら50回も2を引き続けなきゃですからね。)

ただ割り算には、あくまでも「等しく分ける時に使える」という条件がつくので、分ける時の王道は「引き算」なんですね。

という話を、質問に答えてくれた全員にした所、返ってきた反応は様々でございました。

まず、一番素直な反応をしたのが、私の夫です。

彼は勉強に大したこだわりが無いので

「へぇ。なるほど~。そっか~。」

と素直に納得しておりました。

そして、一瞬
「え?」
みたいな反応はしたものの、でも最終的には
「なるほど~。」
と納得したのは小学生。

納得はしたものの

「何それ⁉なんか悔しい!」

みたいな反応をしたのが中学生。(まぁ、彼らは反抗期ですからね~。でも、それだけ勉強に対する関心もあるって事なんだと思います。良い事です。)

そして、私に真っ向から反発してきたのが、高校生の息子です。

もうあの人は、なんなんですかね…。万年反抗期だかなんだか知りませんけれども、とにかく親の言う事を素直に聞いたためしがないのです。

「分ける時に使うのは引き算です。」

と言った私の顔を悔しそうに見た息子は、しばらく考えた後に言いました。

「いいや。割り算でもいける!」
 
と。

息子の言い分はこうです。

例えば、上にあげた
「15は7といくつに分けられますか?」
という問題であれば、
15÷7でもいけると。

15÷7の答えは 2あまり1

答えの2から1を引いた数に、割る数の7をかけ、あまりの1を足せば、8が導き出せる。

公式に表すと、割り算をした後に

(答え-1)×割る数+あまり

という計算をすれば、割り算で式を立てたとしても、答えが出せる。よって、割り算でもいける!

だそうで…。

まぁそうなんですけどね。

これ、私の可愛い生徒さんが同じ事を私に言ってきたら

「あら♪さすがは学研キッズ!思考力が育っていて素晴らしい!」

とか褒めた気がするんですが、しかし、息子のこれは、何としても親の言うことは聞かないという反発心から来ているのがヒシヒシと伝わり。

しかも私は、息子の人生のここぞという節目の時は、息子とは意見が合わず、この反発心を最大限に発揮され(習い事はスミイングをして欲しかったのにピアノを始めちゃったし、部活は運動部に入って欲しかったのに科学部に入っちゃったし、近くの高校に通って欲しかったのに、めちゃくちゃ遠い高校に進学しちゃいましたよ~。)毎回毎回嘆きに嘆いていたので、褒めようなどという気には全くならず。

「何言ってんだ。そんな面倒な事をしないで、素直に引き算するが良い。」

と、疲れた顔をして言ったんですけれども。

まぁでも、複雑に考え過ぎてしまって、本来そんなに難しくないはずの問題が中々解けないというのは、私の教室の生徒さん達に、ちょこちょこ見られる現象です。

そんな時の為に私はいます。時には

「難しく考え過ぎてるんだと思うよ。これ簡単だから、ちょっと違う角度からもう一回考えてごらん。」

みたいな事を言って様子を見る事もあります。

実際、それだけで出来ちゃう事もあるのですが、大抵の場合は、そこから動けなくなってしまい、思考が絡まったままになっちゃうんです。

だから、その絡まった思考をほぐす為にヒントを与えるんですけれども、この時に、素直にヒントを受け入れてくれる生徒さんは

「あぁそうか!」

て言って、あっさり出来ちゃうケースがほとんどです。(だって、元々そんなに難しい問題じゃないですからね。)

でも、変に反発されて、自分の考えに固執されてしまいますと、中々前に進めない事もあります。

なので、反発して色々考えるというのは、必ずしも悪い事ではないんですが(とりあえず、息子の場合は正解を導き出してますしね。)分からなくなってしまった時は、素直にアドバイスを受け入れるというのも大切な姿勢だと思います。

勉強に関して言えば本当に大切です。

ただ、勉強以外の人生の分岐点みたいな時はどうなのかなとも思います。

とりあえず私の息子は、学研で身に付けた思考力をフルに活用し、ここぞという時は自分の意見を言いまくり、親を蹴散らし意思を押し通していますが、疲弊した親を尻目に、本人は、なんだかとても楽しそうです。

そりゃ息子にだって悩みはあるでしょうし、実際たまに相談されたりもするんですが、でも全体的に楽しそうだと思います。

全然親の言うことを聞かないから、親は心配で心配でたまりませんけれども、でも、本人が楽しく生きているのであれば良いのかなと思います。

我が子が思考力を身に付けると、場合によっては親は大変かもしれません。しかし、自分で考えて人生を切り開いた子というのは、生きる事を楽しめるのではないかと思います。

でも、勉強のアドバイスは変に反発しないで素直に聞いておいたほうが良いと思いますよ。

15が7といくつに分けられるかは、割り算ではなく引き算で求めるほうが絶対に良いです。

遠回りも時には良いんですけども、遠回りし過ぎると、入試の時に泣きを見ちゃいますからね。

入試は時間との戦いですから、知識という名の武器を貰ったら、その武器はちゃんと使いこなして欲しいと思います。

そして、武器を使いこなすには、筋力や体力をつけ身体の根本をしっかりと作らないといけません。勉強でいえば、それは思考力やら集中力やら読解力やら、お話を聞く姿勢ということになると思います。

それらを育てるのが、学研の幼児さんと小学生の授業なんです。

中学生になったら、与えられた知識をしっかりと使えるように、小学生のうちにその土台となるものを身につけて欲しいと思います。

それでは、最後まで読んでくださり、ありがとうございました。


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2024年06月09日 Posted bymitsubachi at 09:51 │Comments(0)算数

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